再読:社会契約論
- 作者: J.J.ルソー,桑原武夫,前川貞次郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1954/12/25
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 67回
- この商品を含むブログ (89件) を見る
そこからさまざまな政治体の分析とか法律のことやらが続いて、最後に宗教と政治の関係について語って終わり。ちなみに彼によれば絶対に正しい政治体というのはない。それは国の国土、人口、気候その他の要因によって適する統率の仕方を変えなければならないからだってさ。そして永遠に続く政治体というものもまたないらしい。それは繁栄は富をもたらし富は奢侈をもたらし奢侈は腐敗をもたらす、そして人民の腐敗は政治体の腐敗。そういうことを考慮してどう対処していけばいいのかということを書いていたりした。
でも、一番印象的だったのはやっぱりどんなに法整備がされていようと、人の徳なくして反映はありえないって所かな。どんな法律も、権力も、悪用はされる。それを防ぐのは法律じゃなくて道徳とかそういう人の習俗。以下引用
(法律の種類を説明した後)…
これら三種のほうに第四の法、全ての法の中で最も重要なほうが加わる。このほうは、大理石や銅版にきざまれるのでなく、市民たちの心に刻まれている。これこそ、国家の芯の憲法をなすもの、日々新たな力をえて、他のほうが老衰し。また滅びてゆくときに、これに再び命を吹きこみ、またはこれにとって代るもの、人民にその建国の精神を失わしめず、知らず知らずのうちに権威の力に習慣の力をおきかえるものである。わたしのいわんとするのは、習俗、慣習、ことに世論である。現在の政治家たちに知られていない法のこの部分こそ、実は他のすべての法の成否をにぎるものである。
ってことはさ、悪い事件ばっかりおきて、銃規制だとか、ゲーム規制だとか、ロリコン規制だとか、インターネット規制そういう法律ばかり作ろうって動きがあるけど、そんなもんいくら作っても無駄なんだろうなと思う。しかし、無駄でも議論すれば金もらえるんだから、政治家というのは(´・ω・`)。