- できるやつ、できないやつ 3

さて、すっかり一つ一つのステップを逐一説明するコーナーになってしまいました。本当は勉強できる人とできない人の差はなんだろうって事を書きたかったのにな…ま、いいです。これからはちゃんと考えてから題名つけます。


今日は最後のステップ、理論の応用でございます(誰 。ステップ1で知識を得て、ステップ2で理解した理論を使うのです。もちろん、ステップ1と2ができない人にステップ3ができるはずはありません。ステップ1と2が優れている人間はステップ3をよくできる可能性は高いです。ステップ3はステップ2と同じように記憶以上の思考プロセスが必要となります。ではその思考プロセスとはどんなものか

まずは理論が応用できる対象を見つけなければなりません。前回の例をそのまま使います。前回は「化学反応Aは酸素を含む酸性の物質とアルカリ性の物質の間で起こる」という理論をいくつか(三つだけ)の知識からひねり出しました。この理論を他の物質に応用するなら化学反応Aの条件を満たす物質を見つけ出す必要があります。
次に実際に理論をその対象に応用します。仮に反応Aの条件を満たす薬品をHとIとしましょう。そしてその二つの薬品で反応を起こします。これで化学反応Aの理論を薬品HとIに応用することができました、めでたしめでたし。


ステップ3の説明、いままでで一番短かったですね。だから1番簡単か?というとそうでもありません。簡単に理解できる理論があるように簡単に応用できる理論もあります。また簡単な応用もあれば、難しい応用もあります。難しさとは何を指してるのか?これはどれだけの思考プロセスを踏むかです。化学反応Aの理論でもう少し難しい応用をやってみましょう。


「酸素と硫黄には共通している特性がたくさんあり、化学反応Aは酸素と硫黄に共通する特性のおかげで起きる。ならば化学反応Aは硫黄を含む薬品Jを使っても成り立つ。ただし、硫黄は酸素と違う特性もあり、その特性のおかげで反応Aによってできる生成物は酸素を使った反応Aのパターンとは少し異なる。」


化学反応Aを仮の薬品Jに応用しました。酸素と硫黄が共通する特性を持っているという知識と反応が酸素と硫黄に共通するという理論を、「化学反応Aは酸素を含む酸性の物質とアルカリ性の物質の間で起こる」に当てはめて応用の対象を探し、応用をして、本来の理論どおりの結果からの違いを見つけました。…分かりにくかったらごめんなさい。

要は数多くの思考プロセスが必要な応用もあるってことです。上の例では応用の対象を探すのに新しい知識と理論を応用したい理論に当てはめる、そして応用して得た知識を他の知識と比べるという思考プロセスが踏まれてます。ステップ3をするのにまた別のステップ1と2を踏まなければならなかったわけです。

こうすると難しい応用を行うには多くの知識を得、理論を理解し、それらをつなげて、新しい応用の対象を探し、応用をしなければなりません。ちなみに理論を応用して得るものは新しい知識です。ということはその新しい知識からまら新しい理論ができます、そしてその理論を…(無限ループ)。今ある学問とはこのステップを幾度となく繰り返した結果です。だから、現在の学問に至るまでスゴーク多くの思考プロセスが踏まれてきたわけです。

学校でする勉強ってのは、現在の学問に至る思考プロセスを復習してるだけだと思うんです。だから習うことができる。ちょっとした説明だけでは分からなくとも踏まれてる思考プロセスを全て順序だてて説明されれば分かるはずです。もちろん、そんな根気がある人はいないでしょうから「分からないまま」という人ができる。「勉強ができる」ってことは現在の学問における知識をその知識に至るまでの思考プロセスを全て説明されるまでもなく理解できるということだと思うんです。要は「現在」に至る思考プロセスをどれだけよくたどれるかが「できるやつ、できないやつ」の差だと思います。

では、勉強がよくできれば学問ができたと言うことになるのでしょうか?それは違うんじゃないかって考えが浮かんだので、次回はそれでいきたいと思います。