ギリシャ・ローマ神話
- 作者: ブルフィンチ,Thomas Bulfinch,野上弥生子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1978/08/16
- メディア: 文庫
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しかし、なんというかギリシャの神々は嫉妬もするし浮気もすれば、つまらない意地も張る。力とかそういう意味では絶対的だけど、そのほかはかなり人間に近いというのが印象的だった。特にゼウスの奥さんは怖いね。ま、ゼウスは浮気しすぎだけど。
ちなみにトロイア戦争とかを除けば、神話のほとんどは「なぜ世の中がこういう風になっているのか」という問いに対する答えである。そういう意味では科学と共通点があるね。違うのは科学が観察と推測から成り立っているのに対して神話は想像力の産物であるということである。科学はその進歩により便利な生活、より効率のよい現在を生んだのに対して、神話は形を変えて文学、音楽、映画などのエンターテイメントなどに取り込まれて現世の人々に楽しまれている。一昔前の俺なら、科学こそが人類を進歩させてきた全てだなんて考えてたけど、今考えてみれば楽しみのない人生なんて地獄みたいなもので、形を変えながらも今も昔も人々を楽しませることができるこの想像力の産物がなければ今の世の中はなかったんだよな〜。
俺の中で少し文学の地位が上がったような気がしました。しかし、相変わらず私は科学を信じますがね。